短納期・多品種・人手不足の時代。勝ち筋は「標準(A4)×モジュール化×検証×データ」です。
ここでは経営・設計・製造・サービスの全方位で、利益と顧客満足を同時に上げる実装の型を共有します。
目次
1|モジュール化=強さの源
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標準フレーム:ベルト幅・ローラー径・脚ピッチをグリッド化。共通穴で治具も共通に。
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駆動ユニット:モータ/減速機/スプロケを3〜4サイズに統合。MTBF↑、スぺア↓。
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制御テンプレ:ZPA・速度プロファイル・アラームを機種横断で共通FB化。
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インタフェース:上位I/F(I/O/通信)を統一仕様書で一本化
2|設計の“外さないフレーム”
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DFM/DFA:部品点数を削減、工具1種で8割締結を目標に。
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FMEA:詰まり・蛇行・摩耗・センサ誤検知を設計で潰す。
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安全:巻込部の指挿入限界、E-Stop到達距離、リセット手順を図示。
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材料:食品はSUS・樹脂選定、油環境は耐油ベルト/シール、静電は帯電防止⚡
3|検証は“現場条件で”
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FAT台:最大/最小サイズ・重量・底面別(段ボール/樹脂/袋)で全パターン流し。
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連続耐久:24h×数日で温度・電流・騒音のトレンド取得。
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安全検証:E-Stop→再起動の誤動作ゼロを確認。
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物流実荷:客先代表サンプルでSAT前の最終確認
4|製造:止めない工場づくり ️
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ライン設計:キッティング→セル組立→最終検査の一筆書き。
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品質ゲート:ねじトルク・電気導通・ベルト蛇行の通過基準。
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見える化:工数/仕掛/不具合をライン脇ダッシュボードで共有
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外注:フレーム/塗装/配線のパートナー標準をA4化。
5|EHS:人と現場を守る
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LOTO:試運転・出荷前検査で無電・無圧の標準。
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化学物質:洗浄・潤滑のSDS管理、こぼれ対応の訓練。
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騒音:ファン/駆動部の対策リストを設計段から共有。
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リサイクル:ベルト端材・金属くずの回収フローを常設♻️
6|ドキュメント&学習コストを下げる
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組立図1枚+配線1枚+I/O表1枚で初号を立ち上げ可能に。
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HMIガイドはアイコン中心・アラーム**“対処3手”**を併記。
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故障ツリー(症状→原因→テスト→対処)をQRで現場にリンク。
7|DX:売る・作る・保つをつなぐ
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PDM/PLM:BOM・図面・改版を一元管理。
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シミュレーション:簡易ラインシムで詰まり/待ちを提案段階から可視化。
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リモート監視:稼働・停止・アラームをクラウドで見える化し、予防保全へ。
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ポータル:図面・取説・消耗品・チケットを顧客と共有(履歴は資産)。
8|アフター:止めない価値を売る
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SLA:一次応答○h・駆付け○hを明示。
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スぺアセット:現地最小構成を提案、消耗品サブスクも選択肢に。
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定期点検:電流/温度/振動のトレンド提出で納得提案。
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教育:ジャム解除・安全復帰・清掃の10分動画
9|KPIダッシュボード(例)
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OTD(納期遵守)/FPY(初回合格)/Warranty率
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工数/台/仕掛日数/設計改版サイクル
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FAT不合格要因Top5/現地停止Top5
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提案→受注率/保守契約比率/再注文率
10|“30日で変える”ロードマップ ️⚙️
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Day1–7:標準フレームと制御FBを棚卸→A4標準に落とす
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Day8–14:FAT台の代表サンプル整備/故障ツリーのQR化
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Day15–21:PDMの改版ルール運用/ライン脇ダッシュボード稼働
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Day22–30:SLAとスぺア提案テンプレ公開/初回ユーザー教育動画リリース
11|発注者への“見える提案”
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一枚図(レイアウト・導線・電源/エア)
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スループットとバッファの根拠
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安全設計(ガード・E-Stop・LOTO)
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省エネ(ZPA/高効率モータ)
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保全パッケージ(点検・スぺア・SLA)とTCO試算
まとめ ✨
“選ばれるメーカー”は、モジュール化×検証×EHS×DXで同じ良さを速く届けます。
A4標準→FATの実力→見えるアフター。この三段で、価格競争から価値提案へシフトしましょう。