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月別アーカイブ: 2025年6月

第12回機械器具設置工事雑学講座

皆さんこんにちは!

 

株式会社サンゴウ、更新担当の中西です。

 

 

 

現場で磨かれた!機械器具設置工事の“鉄則”

〜重さ・精度・安全を極める現場のリアル〜


今回は「機械器具設置工事の鉄則」について、日々現場で積み重ねてきた実践的なノウハウと心構えを交えてご紹介します。


◆ 鉄則①:機械の“重さ”を甘く見ない

 

設置する機械が100kgなのか、10tなのかによって、準備も施工方法も大きく変わります。

  • 重量計算と荷重分散の確認:コンクリート基礎の耐荷重を超えていないか?

  • 搬入経路の下見と測量:梁、開口幅、床荷重、斜路の角度などを事前に調査

  • クレーン・フォークリフトの選定と配置計画:過剰でも過小でも危険

機械器具設置において、「重たい=危ない」は鉄則中の鉄則です。


◆ 鉄則②:水平・垂直は“魂”

 

「ほんの数ミリ」が、機械の寿命や性能に影響を与えます。

  • レベル出し(水平調整):レーザーや水準器を用い、±1mm以下の精度で調整

  • アンカーボルト設置時の芯ズレ防止:振動機械なら特に重要

  • 据付後の共振・回転軸のチェック:試運転で異音・振動があれば即再調整

「機械の性能は、据付精度で決まる」といっても過言ではありません。


◆ 鉄則③:アンカーは“命綱”

 

機械を床や架台に固定するアンカーボルト。
これがずれている、浅い、緩んでいると、振動で移動し、事故や故障につながります。

  • 打ち込み型・ケミカル型・スリーブ型など用途別に使い分け

  • 設置前のアンカー芯出しの正確さが最重要

  • 締め付けトルク管理・再増し締めで、耐震性にも配慮


◆ 鉄則④:養生と清掃も“据付の一部”

 

据付完了後、「はい終わり」ではなく、以下を徹底します。

  • 可動部・配管・センサーの保護養生

  • 床面の油汚れ除去や清掃(安全面と信頼に直結)

  • 納入機器の保証書・図面・試験結果の提出と説明

見た目の仕上がりや整理整頓の精度こそ、プロの設置業者としての“顔”になります。


◆ 鉄則⑤:施工は“安全第一”、搬入は“段取り九割”

 

  • 現地KY(危険予知)活動は毎回実施

  • 作業員・重機・クレーン・台車などの動線は事前に完全整理

  • 吊り荷の重心や回転癖、荷姿の崩れやすさも想定内に

トラブルの9割は、事前の段取り不足に起因しています。
“準備力”がそのまま「安全力」であり、「品質力」でもあります。


◆ まとめ:設置の仕事は“地味だが、誇り高い”

 

建物が完成しても、人の目に触れず、動いて当たり前と思われる機械たち。
でもその「当たり前」を、影で支えているのが、私たち機械器具設置工事のプロフェッショナルです。

地味だけど、繊細で、重くて、精密。
だからこそ、「鉄則」を守り抜いた仕事だけが、安全と信頼を生み出すのです。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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第11回機械器具設置工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社サンゴウ、更新担当の中西です。

 

 

機械器具設置工事の歴史をひも解く

〜インフラと産業を支え続けた“設置の技術”の歩み〜


今回は「機械器具設置工事の歴史」に注目し、私たちが日々携わるこの仕事がどのように社会のインフラと産業を支えてきたのかを、歴史の流れとともにご紹介します。


◆ そもそも「機械器具設置工事」とは?

 

「機械器具設置工事」は、建設業法における29業種の一つで、具体的には以下のような業務を指します。

  • 発電機や変圧器の設置

  • プラント設備の搬入・据付

  • コンベア・昇降機・圧縮機などの設置

  • 工場・物流施設におけるライン設備の更新

  • 大型空調機・浄化槽・給排水ユニットの取付 など

これらは一見すると“機械の運搬”に思われがちですが、実際には精密な調整・アンカー固定・据付精度の追求・試運転確認までを含む、極めて専門的な工事です。


◆ 日本の産業化とともに始まった「据付の技術」

 

機械器具設置工事のルーツは、明治〜大正時代の近代化政策にさかのぼります。
西洋から輸入された蒸気機関、発電機、織機、造船設備などを据え付ける作業が必要となり、そこで「設置専門の職人」が誕生しました。

▷ 1950年代〜:高度経済成長と設備更新の時代

戦後の復興と工場の増設が進み、各地でボイラー、コンプレッサー、変圧器、クレーン設備などの設置が急増。
この頃から、「据付」から「試運転」「メンテナンス」までを一貫して請け負う設備業者が登場しました。

▷ 1970〜90年代:プラント・インフラ整備の全盛期

電力、水処理、鉄鋼、石油化学などの大型プラント建設に伴い、数十トンを超える大型機械の精密据付技術が求められました。
この時代は、「ミリ単位でのレベル調整」「振動吸収技術」「機械据付のための土木・電気との協働」が大きく発展した時期です。


◆ 機械設置と現代社会の関係

 

現代においても、機械器具設置工事は以下のような社会基盤を支えています。

  • 物流施設の自動搬送システム

  • 製造業の自動化設備・ライン装置

  • 再生可能エネルギー(バイオマス・風力)の発電機据付

  • 公共施設(学校・病院)への空調・昇降機設置

AIやIoTが進化しても、「現物を正確に、安定的に設置する技術」は変わらず必要不可欠です。


◆ 現場で受け継がれてきた“設置の精神”

 

機械器具設置は単なる技術作業ではなく、チームワーク・精度・安全意識の結晶です。

  • 「どこにでも据えられる」ではなく「どこでも同じ精度で据えられる

  • 「ただ置く」ではなく「機械の命を支える据付

この精神こそ、私たちの誇りであり、次世代へと継承すべき文化なのです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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